自分でわかったことは、すっかりわかったときに身につく。
問題意識がある。
「森」の中にいたあのカメたちは何年くらい生きてきたのだろう。
海の「波」はどうしてよせたりかえしたりするのだろう。
桜の「花」はどうして一年に一回しか咲かないのだろう。
人に聞いてもいい。
本に聞いてもいい。
いつかわかるまで待ってみてもいい。
それは好みの問題だしいろいろな個性的な学び方があってしかるべきだ。
自分で疑問に思ったときに調べてみるとわかるまでの時間は短くなるだろう。
自分で疑問に思ったときに人に教えてもらったならそういうことだったか!と納得することがしやすいだろう。
周りに聞ける人がいなくなってもなんとかなるように、詳しい本があったら頼もしい。
本の中に書いてある。
そして本の読み方を知っている。
本に調べる仕方を知っている。
それをよく読めばいろいろのことはわかるようになるだろう。
分厚くて親切で(初学者のいろいろの疑問を想定して)すこしやさしいスタート点からスロウペースで何でも書いてあるような本は、値段がいささか高いかもしれない。
ステーキを二、三回くらい我慢しないと入手できないくらいかもしれない。
高いなあ。洋服が欲しかったけど我慢しようかな。髪を切るのは一回パスしようかな。
いや、そもそもそういう本を書いた人は2、3枚どころかステーキを200枚くらい我慢してどこか森の中にこもって書き上げたに違いない。
そういう本を手にしたら、ブックカバーを着せて大切に使いたい。
本当は線を引いたり言葉を書き込んだりしたいのだけれどこの本は一冊しかないから迷う。付箋紙やノートを利用しようか。
そーだ、雨にぬれないようにしよう。
間違って読みながら眠ってしまって頭の下で紙が折れ曲がったりしたらいやだ。
間違って、居眠り中によだれをたらしてしまったらどうしよう。
読まないときに本を収納しておく書庫で、本の下にほこりや汚れがないように本棚にもカバーをかけておこうかな。
あ、紙に虫でもついたらどうしよう、防腐剤や防虫剤も必要なのかな。
ちょっと調べてみなくちゃ。
たまー、ふみつけないでね。
ああ、こんなにいい本があってぼくは幸せだなぁ。
何回も読んで身につくのも楽しいし、次は何が書いてあるのかなと新しいページを開くのが楽しみでならない。
聞こえてくる。
著者の声が聞こえてくる。
(森の花波勉(2)へつづく)