ヴォク、久し振りにほめられて。
基本的に失敗ばかりしていて普段ほめられるということがない。
でもきょうはうれしかったなー。
学期に一回ご連絡をいただく卒塾生の保護者さまからいつものように高校での成績を教えていただいた。このタイミングでは一部の在塾生よりも結果を知るのが早い。すぐに教えていただけるのほどうれしいことはない。(いいかわるいかは正直なところあまり気にしていない。一緒に練習していれば実力や受けというのはお互いよくわかっているので結果はある程度想像がつくものだ。ここで「お互い」というのは指導者の力量も子どもにはすぐにわかるものだという意味で。)
聞けば独学でとても好成績を残したとのことだった。
1学期総合でクラス1位をとったとお便りには書かれていた。(クラス順位しか出さない高校が比較的多い。)
他にも平均評定数値などいろいろ書かれていたのだけれど、気になったのがノートのくだりだった。
「テスト前になると、○○のノートを友達が奪い合うそうです(笑)」
奪い合うって!
笑えない。
まったく笑えない。
そういうノートをとっているのか。
さらに深化してるな。
この子は中学の頃からノートが細かくてよかった。授業中の先生の発言をたくさんメモっていた。
そう、あれはこの子が中2シリウス数学発展編を使っていたときのことだ。
テキストのせまい余白にすべての答案を書き込んでいた。
書き込み専用のテキストではなかったのだけれど米粒のような小さくて、でも読みやすいまっすぐの字が並んでた。いつも開くたびその整然さに感動するノートだった。
あのノートのことをすぐに思い出した。
すごくうれしかった。
お便りには次のようなお世辞までついていた。
「○○の勉強に関しては私もびっくりしてるんです。でも○○はよく言います。
「ヒカリ塾で鍛えられた」と
いろいろな意味で成長させていただけたと思っています。」
ああ、なんというありがたい言葉だろう。
何かを鍛えたようなつもりはなくたんに運動部のキャプテンもしていたこの子には塾にくることになる最初からもう根性がたくさんあった。
塾にきた頃はヴォクが一問ヒントを出す度に「はい。ありがとうございました。」と大きな声で返事をされ、御礼は帰るときにまとめて一回でいいからと何回か伝えた。家庭教育で御礼をちゃんと伝えるようにとそう育ったのだろう。
ヴォクはただ週20時間分くらいの宿題を中学の3年間毎週一緒に決め、欠かさず組み立て、わずかばかりの添削をしただけだった。この子は宿題(約束)をただの一度も忘れなかったしその上復習を自分なりに勝手に繰り返して気の済むまでやっていた。後半は週課題の設定と目標もこの子が自ら立てるようになっていた。
受験を迎える最後の年の夏休みはご家族がみな仕事で家にひとりでいることが多かったと後になって聞いたがその夏休みに10以上偏差値をアップさせることをこの子はしていた。部活が終わって根性を勉強にぶつけたらどうなるのかくらいわかっていたつもりだったが夏明け以降の模試結果には毎回のように驚かされた。夏の大うなぎやー。
その根性があれば入試だけでなくいろんな道でも力を発揮できるだろう。
途中の困難の乗り越え方もいつか機会があったらインタビューしてみようと思う。
わからないことがあってもあきらめないのだろうな、練習量が多いのだろうということまでは想像できる。この子はまずもってあきらめない。
では高校の授業でわからないことはどう調べどう自学自習しているのだろう。
色んなことが考えられるが、何にもわからない。
Tさま、ありがとうございました。