東京大学、二次試験の点数開示。
大学の教官による本採点の結果を朝一でご連絡いただいた。
その瞬間、早慶の付属校をお断りし私学トップ校の三年間特待をお断りし浦和を選んだ三年前の彼の顔が浮かんだ。
彼は15歳の自分の選択を全うするため18の春、東大以外一校も受験しなかった。
二月末の二日間に彼は勝負をかけた。
東大を受けるのに過去問を10年しか研究しないなんて中途半端でもったいないことはしない。
部活引退後から東大過去問30年分を彼は研究してきた。東大一橋の入試では大学入試センター試験はあってないようなもの。総合点はほとんど二次の筆記試験で決まる。最低でも過去問三十年分、数学なら100問は自力で解けるくらいになっておきたい。
空間図形でも東大数学ではどういうものが出やすいのか。
確率でも東大数学ではどういうものがテーマになっているのか。
東大数学30年分をやってはじめて見えてくるものがある。
すこし以前にわかっていた下のような不合格の成績開示同様、入試データとして最重要な情報となる。
【合否】不合格Aなど
【志望科類】
【センター得点】/900
【国語】
【数学】
【物理】
【化学】
【英語】
【実際の総合得点】 /550
6年間運動のハードな運動の部活動との両立生活。毎回、光に着く時間から八時半の男とヴォクは呼んでた(いしげかっ!)。
部活動引退後からセルフラーニングを加速し1980年からの入試問題を解いた。一年懸命。たかだか一年分に一週間かけた。
ずっと練習してきて10年、20年、30年分と入試過去問の演習を続けても、本番は1回のみ。
泣いても笑ってもこれだけが本番で一生忘れられない問題となることだろう。
限られた時間の使い方を毎日自分で考え、目標と計画を立て、毎週休みなく実行し、自己ベストを何回もなんかいも更新し続けた。
本番、それでもぶっちぎりの高スコアとはいっていなかった。勝負は僅差。成績開示の紙の小数点以下第4位までの数字がそれを物語る。
難関校の入試がどれだけ厳しいものであるかを思い知る。
数学は攻めた。
東大数学の大問1つを完答すれば20点になる。
数学による点数差は小さくない。
現行の東大入試制度では、この科目の差がつきやすく、合否を分ける。合格者平均点と不合格者平均点の差異はこの科目において大きく現れている。
彼がとった点数。
1教科ごと、2次試験のスコアを見る。
何回もなんかいも見る。
学部別採点。
練習であれだけとった科目の本番がこうか。
よくぞここまで伸ばしたな、見えないところで最後の最後までがんばっていたのだね。
善戦している科目のことを知る。
あの得意科目がこうきたか、苦戦を強いられた科目のこと、想像する。
一回しか受けられない。それだけにいろんなことを感じる。
今後ヴォクも何回もなんかいも見直すことになるだろう。
得点開示結果。
合格最高点、合格最低点(ボーダー)、合格者平均点。
そして彼の本採点結果。
最後の点数共有。
思い出になります。
ありがとうございます。
入学早々、駒場の大学生協で買ったCCレモンを片手に不慣れな道で次の講義の教室を探し、汗だくでうろうろしキョロキョロした初夏のことをなぜか思い出す。
彼もきっとがんばっている。