東大入試はなぜ解答例だけでも示さないのだろう。採点結果の得点だけは公表されるようになったので、便宜上高得点者の情報を拠り所にしている。
現代文なら問題の答えは本文にある。だから解答例はとくに示す必要がない、というのが説明なら納得できる。
数学なら答えはひとつだ。だから解答例は示さない、というのはまだわかる。
主語を明示しない古文では解釈がひとつに固定され得ない。ここはさすがに採点がわかれるところだ。なぜ示さないのか。(それは問題の悪い部分が問題視されないようにだ。)
採点方式、採点基準も示さないという。とにかく点数以外は秘密だ。
不思議でならない。
20点問題の採点をどのように行っているのか。(受けた子の再現答案と開示得点から大体はつかめるが不透明で不公平なのは東大にふさわしくない。東大の門戸は誰にも開かれているべきだ。)
減点法なのか、0-5-10-15-20点の5点刻みの評価型なのか。0点と20点のどちらかなのか。
教科書範囲外の知識をつかって得られた正解を含んだ答案用紙をどう点数化するのか。
1枚の答案用紙は何人で採点していてその方法はどうなっているのか。それは採点に携わるものしか知り得ない。そういうことになっている。
大事な点数を決めるという部分でそんな基本的なことさえがブラックボックスになっている。
大学によるものでない書籍を見れば解答例はそれぞれに異なっている。そのどれもがひとつの解答例を提示するがもしその解答例が現場で採点されたとして何点になるのかは誰にもわからない。採点はあくまで個別に答案用紙を見ながら採点者が点数化を行うことによってなされる。
情報はあることないこと飛び回り、ときに受験生を惑わせる。
考えられる解答はこうだ。
試験は記述式の論文形式です。とくにひとつの決まった解答例というものはありません。どんな解法を用いるかは問いません。設問ごとに答案全体を配点の中で評価、点数化します、と。
なんだ、おもいっきし書けばいいのね。