どうでもいい話。
失敗の数と問題解決力は比例する。
パズルを解くときに、人は紙に書きながら考えてみるだろう。
1枚目に書いても答えは得られない。しかし1枚目のやり方だけでは解決にいたらないことに気がつく。
次の紙には、(紙と芯がもったいないならブギーボードでもいいのだが)、従って、1枚目を踏まえて少し削ったり付けたしたりするだろう。それは少しだけ、ほんの少しだけ、1枚目を踏まえた分だけ洗練されたものになっているかもしれない。それでも、2枚目まで書いても書きなぐっても解答は得られていない。
試行を2回することができて、その2回のままでは解けないことを知る。それは経験値であり、その方法では解けないということを頭がたしかに覚えているので、何も試行していない人よりも次にその問題を考える時に、解決にたどり着く可能性は高まっていると言える。何も試行していない人がスタート地点から出発するのに対して、2回失敗した人は2歩歩いたところからスタートするようなものだ。
間違いをするその数に比例して、次にゴールにまでたどり着く可能性は上がってゆくだろう。2歩だけでも3歩だけでもゴールに近いのだから。
失敗するうちにその筋の回路が発達する。その筋を、失敗する過程の中で鍛えているからであり、その鍛えられた筋をもってなら、なにかの拍子に今度は糸口をたぐりよせるかもしれない。
火事場の馬鹿力も急には出てこない。普段から何回もなんかいも間違って間違いを繰り返しながら訓練しているから、火事場でなにかのきっかけで、成功の突破口を見つけることができやすかったと言えるのだ。
失敗は成功のマザーである。(長嶋茂雄)