あまりにすごい本を手にしたときに言葉がなくなる
消化できないのでただしばらくぼーと眺めるばかり。
その本は別冊でしかなかった。642ページもあるただの付属の本。
別冊だから裏表紙を見ても価格がない。
1ページ目に前書きもない。そこには代わりに問題と解説が無機質に並んでる。
普通別冊と言えば、解答が書かれてる。しかしこの書物には問題も掲載されてある。
地球からとおく離れた月のような灰色をした色の表紙が、その本体からの独立性を表象している。そのカバーはやわらかく弱そうで中の厚いページたちを引っ張るリードオフマンにしては、線が細い。
一切の無駄なくたんたんと、いちげんたんたんたんかたんと問題と解答と解説だけが繰り返されている。重量打線。
こんな本を相棒にできるならどれだけ恵まれてることだろう。
本体の方もついでに見てみる。かの人が関わっておられる。かのメンバーが編集チームか。やはりそういうことか。
この本はコラムがオモシロイとみなが言う。
数学3Cのp.304のコラム。
開けた瞬間に数式が紙いっぱいにギッシリ書いてある。
なんじゃこりゃあ。
これが全部です、私たちがレギュラーです、と。
こんなにすごい問題集をはじめてみた。許されるなら20年前にヴォクもそれを読みたかった。
いや、今からでもいい。読もう。毎日読み進めよう。はじめは1日2ページずつ、365日じっくりと。
そうして1年が経ちどんな本だか少しわかってきたら、今度はざっくり読み返してゆこう。