試験が続き、合否の発表、そして連絡が続く。ご連絡をありがとうございます。
今や合否結果を掲示板や郵送でなく、ネットで発表するのは日常の形式となった。受験生はパソコンや携帯電話の画面に番号と生年月日を入力したら合否の結果が定刻にすぐにわかる。便利な時代になった。
でも、合否結果はネットでは見ない、という人もいる。番号を入れて合否結果を見るのはなんだか宝くじの発表みたいにあっけなくて嫌だ。知らせは待つものだった。デジタルの短くて冷たい文字列が出るのを画面で操作するだなんて!入力に忙しくて祈る時間さえないぞ。
努力の長さに反して発表の瞬間のどれだけあっさりとしたものか。それならせめて封筒で受けとりたい、と考える人もあるだろう。
バイクの音、封筒の郵便を待つという昔ながらの待ち方もいい。
入試の結果が郵便で御家庭に届く。試験期間中でたまたまその日に子どもは塾にいる。受けとるのはその子の親だ。子どもは発表の大事な日にも塾に来てしまった。
今日は第一志望校の発表の日。あまり眠れぬ日が続いた。ソワソワしながらも次へ向けて勉強を続ける。塾に来ているのだから、帰宅してから郵便の封を開けるという選択肢もあったかもしれぬ。
親が開ける。本人が開ける。誰が何時に開けるかひとつとっても発表には選択肢が多過ぎる。役割分担が複雑だし決めることがたくさんある。
あろうことか、子ども本人よりも先に合格の知らせをヴォクにメールで知らせてくださった方があった。
当人はもちろん、まだ熱心に問題を解き続けている。
え!本人よりも先に知ってしまった…、って。
本人にも知らせてください、とのことだった。
驚いた。
本人にもって!
こんなことは初めてで、どういう風に伝えたらいいのか緊張する。
はじめにバイクの音を出したらいいのだろうか。一回外に出てピンポンしたらいいのだろうか。
早く伝えなくちゃ。でもどういう風に?