かつて『分数のできない大学生』という本が話題になった。
いま、化学の質量計算(酸化物中の酸素:銅の質量比)とか、数学の確率とか、地図の縮尺とかが試験範囲にある子がいる(主に中3)。
たまたまだがこれらの単元が得意な子と苦手意識のある子がいる。これらの単元には考え方に共通点がある。
苦手意識のある子はたんにその共通点の領域に苦いイメージをもっている。
その考え方とは、
場合分け思考。
それから、
割合の概念。
割合や比といえば小学生の算数でも一番の山場だ。
ここは暗記なんかしていたらいけない。「くもわ」や「しすこ」なんか使わなくていい。くらべる量ワルもとになる量イコール割合だなんて覚えたとしても意味がわからなければ応用が利かない。
「しおワルこさはすい」とかパターンで解くのが悪いとは言わないが、なんだか魔法使いみたいだし、そもそもそういうことは知らなくても解ける。裏技や呪文で解けるのは便利は便利かもしれないが、意味がわからないとしたらたのしくない。
本来算数は、楽しいものなのに。日常で役立ちまくるものなのに。
ぼくはイチローの打率で説明している。サッカー部の子には前園のシュート率にかえている。ピッチャーの子には山本昌の防御率で説明している。卓球部の子には愛ちゃんか石川佳純選手の勝率で説明している。テニス部の子には、クルム伊達公子(38歳)選手のサーブ決定率で説明している。漫画部の子にはドラえもんのスモールライトかケロロ軍曹で説明している。オチ研の子(ひとりしかいないけど)にはハイウォー(ハイキングウォーキング)の「そうなっちゃいますか」で説明している。バレー部の子には…(以下スタア選手で)。そして、ゴルフ部の子には、石川遼選手の(もうよろしい!)
割合は分数や倍数のイメージがもてるようにならねばならない。
単位(○1)あたりがいくつだから○10はいくつというように比のイメージがもてるようにならねばならない。
小学生の算数ではここに一番力をいれている。
比のイメージが頭に浮かぶようにすること、ここに力をいれている。
中1も2学期くらいになれば文字式の利用という単元で割合の問題がある。
(問題)時速60キロで走る車は2分で何キロ走る?(小学算数)
(問題)時速aキロで走る車は2分で何キロ走る?(中学数学)
なにも変わらない。
そこで割合と比がわかっているかいないのか見事に差が開く。
ここは生活の場でも役に立つのでイメージを確立しておきたいシーンだ。
もうひとつの考え方。倍数分け思考。
これは論理的に物事を考えるための必須のフレームワークだ。大前研一を読まなくてもそれの大切さはあまりに明らかだ。論理的とは場合分けのシンプルさを含むものである。
算数や数学を学ぶ価値のひとつはこういう思考の訓練ができるところにある。計算だけじゃない。
ほなね。
すた、すた、…スタンドでは、焼きそばをこぼさないでください。