伊藤和夫の名著『英文法教室』(研究社)も遅れて復刊した。表紙だけカジュアルに?なったがナカミの構成は同じまま。『英文解釈教室』、『長文読解教室』同様、ハードカバーがよく似合う。
なーんでかっ。なーんでか。
個別の基本英文(帰納)を暗記しながら同時に英文法のルールやパターン(演繹)も合わせて暗記する・・・という学習法がいいのか、わるいのか。
そのようなスタンスに立つあまたの学習法を吹き飛ばしてしまうコペルニクス的書物。
英文法の体系は非常にシンプルでルールとパターンは少ない。
「英文がなぜその形であるのか」を執拗なまで、論理の糸で解きほぐした作品。
考える英文法を日本ではじめて受験生、学生に示した書物だとヴォクはとらえている。
高1の夏から、すべてを吸収したくて20周くらいは読んでいただろうか。いまでも一字一句覚えているはずなのに、読み返してもなお斬新な切り口に驚かされる。
入試の出題頻度などという瑣末な事項とは無縁な書物で伊藤和夫の研究成果はここにあるから高1生よ、読んでほしい、引き継いでほしい、そんな声さえ聞こえてくるようだ。
大学や進学塾、予備校の授業に参加しなくても独学独習で英文法の理解と研究を進められる書物である。
その他約300冊の独学用の参考書問題集の記事をAmazonの書評とソネットブログに書いた。
話を戻そう。
英文を10文ずつ、15文ずつ、20文ずつ。小学生中学生が毎週暗記する。
彼らは口を揃えて言う。
単語を覚えるほうが英文を覚えるより大変ですと。
英文法のルールとパターンのなぜを考えていれば英文や英作文は作れるようになる。
言えるようになる。
だから英作文が得意な彼らにとって英文は暗記するものなどではいささかもなく、いつだってつくるものとなる。
料理みたいに。
ほなね。
英文法教室は英文法のひとつの体系を日本人に示した。
次回は、『英語リスニングのお医者さん』
(英語の洋楽や英語の映画はあまり楽しまないけれど、英語リスニングは練習したいという方へオススメ)
次々回は、
『英作文大学入試実践講義』(東大志望者向き)と「受験までの勉強計画」(東大受験)