公立高校第一志望の小・中学生でも高校合格力(高校入試数学に出るものだけを割り算して各学年に配当して扱うことにより得られる力)だけでなく、高校進学後のことを考えて(というか大学入試はどうせすぐに来るから)、数学でもあえて私立高校の入試に見られるような難問題を思考訓練やパズルとして扱っている。
塾教材で言えば新中問(発展編)、実力練成、シリウス(発展編)に見られるような問題、市販教材で言えば高校への数学シリーズやA級問題集、チャートの体系数学に見られるような問題をなるべく取り入れている。
ヴォクの指導経験から考えるに(あくまでヴォクの指導経験からの考えだが)、公立高の入試問題レベルや中学校の定期試験に上限を合わせてやっていると高校入学時の数学偏差値がたとえ70あっても、高校進学後に数学が難しく感じられ数学が苦しくなるケースがあった。難問を前に思考が停止することがあった。これでは大学入試科目としての数学を武器にすることができなくなる。当たり前だが文系か理系かに関わらず数学が得意なことは大学入試では大きなアドバンテージとなる。
そんなわけで、さる6月も、オイラー線、アルハゼンの定理、内接四角形の性質、メネラウスの定理、中点連結定理なども中3生には出て来たものから順次扱った。そんなものは中点連結定理を除けば公立高の入試には出題されない。
また公立中学校の期末試験には100パーセント近く、出ない。しかし高校数学につながっている。
先日、難問演習もやっている子に聞いてみた。
ヒカリ:こういう問題は難しいのが多いけれど、数学は面白いかな?
ヒカリっ子:たまにわかるときは面白いです。
ならば、わかるものを増やしてゆく、そういう足し算的な考え方で進めてみてもいいのではないだろうか。こういう足し算的な発想なら、私立中にいってすでに高校数学をやっている子たちと比べて思考訓練の材料が不足するという事態も回避できる。
大学入試までの単元項目の上限は大体一定である。典型的な問題なら高1数学でも200問とか600問くらいであろう。
高校数学に見られるような、より高次の数学的思考、論理的思考を、高校に進んだ後にも楽しめるように、今のうちから考える力を積み上げてゆきたい。
まぁ、とは言えやっぱり難しいものは難しいわけだが、逆に考えてみれば、簡単だったら面白くもなくただの作業でしかないのではないか。
たとえば、12たす15は、工夫の余地も少なくあまりオモロ~ではないのではないか。
どうせやるならオモロ~なほうが脳にもいいのかな~、って。
ほなね。
余談だが、市販モノを含めて良質の問題集が多い。どれを使ったらよいだろうかと選ぶのはそれこそパズルのような難題であるように思う。
高校への数学の臨時増刊(ヴォクはこの臨時増刊という言葉の響きに弱い)だけでも、『レベルアップ演習』、『Highスタンダード演習』、『日日のハイレベル演習』と3段階があり、基礎(高校入試対策スタート)と紹介されているはずの『レベルアップ演習』でさえも、めっさ骨太である。