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考える帽子(2)

高校入試は高校課程を知っていると有利となる。ヴォクもそう考えてる。

たしかにどんな学問でも一段上から見ることでより本質的な理解に迫ることができるのかもしれない。一段上とはカーナビで言えば、ひとつ画面を広域設定にすることで、自分の現在地がよりつかみやすくなることである。

はじめて習うときにはテクニックは真似できても理由はわからない、なんてことも多いものだ。

例えばはじめて分数の割算を習う小学生に、どうして割る数の分母・分子を反対にしてかけたらうまくいくのかと問うたところで、きちんと解答できる子は全体の1割もいないだろう。彼らは詳細モードのカーナビのお姉さんの優しいナビゲーション通りに、素直に上っ!下っ!の指示に従い、分数の割算を操作している。できる子はやり方を「絶対暗記」(マセマ語)している場合が多い。

しかし理由がもしわかれば、入試問題にもグンと強くなる。カーナビなしでも目的地に近い所までゆくことができる。なぜなら入試問題は時として背景にある、より広域の理由を問うような本格的な考察を受験生に期待しているからである。受験前から予め理由まで知っていたとしたら、…有利ということだ。

実際、埼玉で(高偏差値1、2を争う私学の)S高校などは受験生対象の説明会で次のような資料を配布しているくらいだ。

「問題作成者は高校の教員です。したがって自ずと高1内容などからの出題があります(実際はもっと詳しく科目別に範囲が書かれてある)」みたいに。かなりはっきりと書かれている。

出題範囲まで隠さずに説明してあるのが、わかりやすくていい。

また、埼玉県の公立高校入試数学でもフィボナッチ数列を知っていたらすぐに答えが出るような出題もあった。これは模試でもよくある。フィボナッチは日常茶飯の現象だ。

例えば中2数学の確率どまり(樹形図とサイコロ表)の勉強をするよりは、高1数学の確率(C、P、Hなど)を学習していた方が、確率的な考察力、計算力は増すだろう。

同じく(同じことを並べる副詞で)、中3の相似にとどまるよりは高1の三角比の知識があった方が解く時間も早まる。

先の広域の知識を教えることを仮にテクニックと呼ぶのなら、塾・予備校はテクニックに満ちあふれている。でも蓋をあけたら、進学した先の学校でも習えるし、本屋にある参考書に書いてあることを先取りして教えている、という要素もあるだろう。

その場合はテクニックと呼ばずに、先取り学習とでも言えばいいのだろうか。

そんなことを赤虎さんのブログ御記事「受験テクニック」を拝読しながら考えていた。

考える帽子をかぶりなさい、考えなさい、考えなさい、と言ったって、自分ひとりで短い期間に到達できる高さには限度というものがあるのもまた事実。ならばひとつ上のサイズの帽子をつけてみる、そういうやり方もあるのかもしれない。

どうでもいい話でした。

(つづく)