この夏の休みに600ほどの英文を暗記する。少なくもないし多くもない。好きなだけドンドン憶えたらいい。1日後でも憶えているか、3日後でも5日後でも7日後でも憶えているようにところどころでチェックするんだ。シャッフルして自分で確かめるんだ。いつでもその技が繰り出せるのか。
今日の中3生が授業中に質問。
「夏休みはよく300時間勉強、400時間勉強などと言われますが、どれくらい勉強したらいいのでしょう?」と。
ハードなはーどな部活動が終わって、夏の勉強の計画を立ててみたときにわかってはいるけれどなんとなく確認してみたくて聞いてみた、そんな感じだろうか。
ヴォクの答えは一つしかない。ひとつしかないのだが、(念のため伝えたいことを整理するため)2秒くらいためをつくってじっくり考えて、それからいつものように答えた。
何時間勉強したらいいか、それは起きてる時間全部だね。
それ以上でも以下でもない。
なりたい自分になるのに時間なんか気にしてても仕方がない。勉強のために寝て勉強のために食事を摂り勉強のために風呂に入り勉強のために散歩する。
納得されようなんて思ってもいないで答えたがこの子はああわかりました、やっぱりねというような顔つきだった(ように見えた)。
どちらにしてもこの子も根性があるのでやるだろう。熱中の対象が没頭の対象が部活動から勉強にうつるだけのことだ。
部活動とは異なる点もいくつかある。ちょうどいいので聞かれもしないのにいつもの3つのことを立て続けに伝えた。
1つ、春に受験する学校には合格でなく上位で合格すること。合格は通過点でしかない。入試は春休み前にある中間試験だと思えばそれでいい。
2つ、自分でやること。自分基準でやること。自分でできるように自分で練習し自分で自分を確かめること。
3つ、3つ目も伝えた。
3つ目も書いてみよう。あれ、なんだったかな。大事なことが3つあるといって2つ華麗に言い切ったところでやめた長嶋茂雄さんではないが、ちょっと思い出せない。
あ、思い出した。夏のホーム図書を頭の中に完コピすること(空中に作った見えない本を両方の手でその子の頭の中に移動させながら←その子いやがる様子)。
何時間稽古するか、練習量はどれくらいか、トレーニングの質はどうかはいささかも問題とならない。
どうなりたいのかが強くイメージされていたら方法や経路はどうでもいい。
問題集の中にある問題が全部解決できるか、それともどれかが解決できないのか。
全部解決したい、いつでも解決できるように力をつけたいと思ったら練習時間などどうでもよくなる。
ただ全部の問題を解決したくて。
いつでもどれでも解決することができるようでありたいと願って。
「食欲なくして食べることが健康に害あるごとく、欲望をともわぬ勉強は記憶をそこない、記憶したことを保存しない。」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)