上尾市にある学習塾|光塾

令和7年 埼玉県の公立高校入試問題分析と今後へ向けた対策 難易度 合格点 光塾上尾市 学習塾はこう解いた

英語。
埼玉県の公立高校入試問題英語の近年続いている特徴は大問2の長文が複数のパート(意味段落)に分かれて出題されていることである。すなわち設問の解答範囲は意味段落パート内にあるという暗黙の了解がある。
これは教科書の英語の構成に似ているもので(他県に類が少ないが)受験生の段階での英語の力のある一面を見るのを目的としていて、単純に短い英語文章の実用能力だけをみようと考えた形式であるだろう。(個人的にはニュース英語や通常のアカデミックな論文の英語のように意味段落にはじめは分かれていない長めの文章を入試でも本文題材にすべきであると光は考える。長い文章に対してどうして設問は複数あるのか、それはどこを意味段落の切れ目として読むべきだからなのかなどとパートに分ける読みも行って筆者の書いたことに近づこうとするのはまさに読解という作業なのだから。)別の大問のように長い文章にしたら英語という教科での得点が出にくくなる、難度が高くなってしまうと考えるのだろうか。そこまで受験生の読解力は低くないと思う。むしろ読める子は相当高いレベルにあるだろう。

 

大問3 問2 問3は名問。
home の品詞 by 以下の形、三人称単数対応の動詞の形は受験生がもっともエラーを起こすもののベスト10入りしているものからの出題3つである。
とくに並び替え(単語を並べて英作文)にtoのあるところをとっているところが神がかりの良問。
問1文整序を含めて難度をあげている。読解のひとつは連関をつかむことであって抽象と具体、因果関係、対比という要約的な読解能力を問うている。この形式は新しいものだが来年以降も続くものと思われる。英文の長さは短くともこの形式を入れることで難度は格段に上がり差のつく入試問題になるからだ。

 

数学。
(昔毎年出した問題が円盤円板かげの問題disk問題。伝統的で埼玉数学の代名詞だった。難しくないパズルと言われていた。パズルの文字通りの意味は混乱させるなのだが混乱させないパズルが昔毎年連続的に出題されていたのが埼玉数学だった。)

 

数学がトータルでみて他県に比べかなりやさしい出題になった。空間図形でここまで難度を落とすのには首を傾げる。対策としてはデータと規則性にまで十分に注意を払ってまんべんなく全体をやるのがよい。広く広くだ。入試数学の花形である関数と図形がこうもやさしいと拍子抜けする。
初等幾何。空間の中で複数の球が接するというかんたんな構図通りの出題で工夫が見られない。変数1つ、式1本。仕上げ期の直前演習でも扱ったままの問題でかんたんなセットになった。

 

(こうなるのにはわけがある。時間が短いから大問が多く出せない。関数、平面、円(circleとdiscは違う)、空間と出したいのが本音、でも時間がないから円を空間に入れると。球は切断面が円になるから円を出題したことになる。しかしそれでは円が少ないから面積の方でも円を絡めてお茶を濁すと。ということは来年度は円(circle)ががっつり出て空間図形は軽めになるのかと。それとも空間図形にまたするのかと。仕方がないが理科や社会の単元争いと同様でどこが出てもアンバランストな出題分野になることは否めない。試験時間が短いのを大前提にするからこうなっている。そんなこんなを考えて何を出すか何が出るかと考える人たちは考えているのだろう。出題予想とはそういったところの勘案の上に存在する。)

 

国語。

大問4 古文12点は『古今著聞集』の有名な段で光のテキストに入っていた。古文では同じ文章を読んでいることはよくあることでこれは仕方がない。高校入試の場合は敬語をおさえて出典をとるので出題に相応しい古典というと非常に限られるからだ。それはそれでよいとする。昨年までに続き敬語を直接問わないまでも敬語を絡めての出題が多く見られる点に注目しておきたい。

二重尊敬体、尊敬体、非尊敬体の区別、謙譲語の基本的な単語はすべて抑えておかねばならない。設問にヒントを多く付しているので読解は易しいが、受験の準備をする学生にとっては学習効果の高い古文本文になっている。和歌(今回の歌は句切れなし)が含まれている点は来年以降も続く可能性は高い。特記事項として抑えておきたい。(敬語に関しては基本単語だけでよい。「現代日本語の謙譲語と同じ使い方をしていた古文の謙譲語Ⅱ=例「つかまつる」=自分を下げる」と、「古文にしかなかった古文の通常の謙譲語Ⅰ=例 「つかうまつる」 =客体が上位者」の両者を区別できる高いレベルの知識は必要なく、あくまで基本語の読みと区別の基本で十分である。)

和歌は句切れの前が大切なところ。句切れなしのときは下の句あたりが大切なところである。(このことはとても大事なことなので光の授業では年間を通して毎回確認しているとおり。)

 

大問一 小説。出典は、川邉徹『ヒカリノオト』。

高校入試に多い部活動関連で入りやすい。解きやすい。(この小説の舞台である)音楽をやっていた人、(英語の長文のテーマだった)木が好きな人などそれぞれの好みや趣味で文章への入りやすさは若干変わるが現代文が問うことは決まっていてそういうことでは差がつかないようになっている。今年も感動するところをとってきたなぁ。ただなきたーくなーるのー(中山美穂さん)だ。でも入試の小説は小説や映画のような芸術作品にように楽しむのはほどほどにして設問を解くことに専念する。

 

大問三 評論。出典は奥野克巳 『ひっくり返す人類学 生きづらさの「そもそも」を問う』。

贈与・交換という現代文頻出のテーマの本文をとっている。しかしこのテーマを読んだことがなかったとしても読解ができるのが現代文だ。関係を読むという現代文の力でいつもそのテキストの中で読んでつなぐ、棒線部だけでなく、段落全体の中で読むこと、段落をこえて読みつなぐことが各設問で求められている。

ここでも第二意味段落の「さて、誰にでも独占欲が・・・」からの話は面白いものでそこを本文のテーマにとっている。そこには政治について考えることを可能にするかなり面白いことが書かれている。文章自体が読んで楽しいというのは出題者の人たちの努力したところで中学生、受験生たちへの強いメッセージになっている。

 

入試の現代文評論文を上達させたい人は意味段落に分けること、論旨、要約の練習を行うことを徹底的にやるのが方法の一つとなる。現代文の要約については別のエントリーを書いておこう。

 

理科は理科的な題材でありながらもはや「探求」になっている。知っていたら解ける問題をできるだけ少なくして日頃から自分の手と頭で考えているのか、試験のときにも自分で考えてみることをどこまでできるのかを問うことを果敢に試みている。典型的な設問は従って非常に少ない。課題文を読んで日常考えてきたことと結びつけてその場で解決しようというところを問う実験的で挑戦的な出題方針になっている。高校での生物地学化学物理の難解さ困難さを考えても、これは必要なところだと私は同感する。問題は知っているかだけでないんだ。知らないことをすぐに手放したり諦めたりするのでなく一歩先まで分かることがあるはずだとあきらめないこと、求めること、探究することをもっともっと追求して欲しいという学生へ向けた力強いメッセージを発している。