今年の新中3、高校入試受験生たちの会場模試、初戦の結果が返却された。今回この会場模試を17,346人が受験した。4万人規模という母集団の大きさがこの会場模試受験のメリットその1。
初戦は時間管理などいろいろな点で慣れない中で結果の数字はまったく何も気にしないでよろしい。それよりも解答用紙の結果をいかに春の日々の学習に生かすかがポイントとなる。例年4月と9月対比では10ポイントほど5教科総合偏差値のポイントを変化させる子が少なくない。多い。
ちょうどカリキュラムが高校入試範囲を大体終えこれからがいよいよ入試へ向けた総合力アップのシーズン本格化してゆく。たとえば関数で3分以内に解く方法があってわかったとしてそれを実際に実行できるようにするためにノートに問題を貼って解き直す。そのときのタイムを記録しておいて3分を切っていなければ後日再度解き直す。
そのような技術を高めるセルフラーニングによって結果に現れるものは違ったものに自分を高めてゆくことができる。各教科のストレッチ目標第1段階の90点(ユメのような点数ではいささかもない)に到達させるために何をしたらよいかと考え練習の中に取り込み生かしてゆきたい。
光塾申し込みの案内が不足したため個人受験で申し込んだ3名の人の結果は除いてあります。
塾生の平均は、
塾内平均得点が、
国語 84.2
数学 63.3
社会 86.3
理科 75.0
英語 85.2
3教科 232.7
5教科 394.0 (「咲くよ ○」 )(1次目標差異-56)
塾内偏差値平均が、
国語 65.5
数学 61.7
社会 66.7
理科 66.7
英語 68.0
3教科 67.1
5教科 68.2(2次目標差異-1.8)
(9月までの必達2次目標70(コーチであるヴォク個人の到達目標のひとつ、※(注意)塾生個々人の目標ではない)までは遠くないという結果になっている。得点素点では問題により左右されるのでヴォクが指標に用いるのは受験者平均点からの距離である偏差値の方である。入試当日は偏差値ではなく得点の合計で合否を判定している。模試は偏差値を見て入試は得点を見るが点数の見方の基本である。)
結果を書いているのはホームページに塾案内を書けば書くほど虚しくなるからで、それでホームページをつくっていない。一般論ほど机上の空論で無駄な案内はない。どんな塾であったかよりも本人がいまからどんだけやるかの方が101倍ほど大事。それで塾生が全員受ける模試部分の数字だけ公開している。
今回は初戦なので結果はただの参考記録扱い。4月の第1回から徐々に自分の解き方ができるようにしていけばよろしい。
まずは全員のAB判定到達へ向けて作戦を微調整したい。
とくにトップ高受験者は450ライン突破の高みを目指して精進あるのみ。
数学では大問3の1次関数と大問4の証明の仕上げがポイント。いずれもかんたんな問題で練習週課題を習得できれば短い時間で解答できるようになる。
特に大問3関数の最後の問題、三角形の面積と動点Pの問題はふつうの教科書的な解法をとって3分以内で解けるまで繰り返し練習してよいほどの超良問。素晴らしい良問を解くのが数学の学習法の1つでこの問題を解くことから動点Pについてのすべてが学べる。この問題は今後も出題されるし本番でも出題されてもなんら不思議がない。その上で裏技公式で30秒くらいで解く方法も念のため練習しておこう。正解を書けば点数はつく。
4月の第1回まで40日以上あり成績が数ポイント伸ばせる豪華な春休みまでがある(極端な例示は説明の手段)。
なんとかしてできるようになろう。
具体的にやってみると、「何とかして」の文字通りの意味を知ることになるだろう。人はいつだって何とかして生活するものだし受験生が何とかしてどうにかするという練習、経験を重ねていくのが色々な点で今後も役に立つだろう。
数学の一見難しい問題が解けるようになるにはどうしたらいいのだろうという悩みを持つ人は少なくない。大問3の三角形の面積、大問4の三角形の面積比のテーマのような問題では解法は多数考えられる。まずは解1、解2、解3と3つの方法で解いてみること。
次にどの解法にはどういう長所があったのかを振り返ってみること。
本番では解法が思いつかないといったことはほぼ皆無となりむしろどの解法をとると速いのかの予見する力が大切になってくる。
この予見する力は経験的能力であって、普段から泥臭い仕方で、色々な解法の可能性を試すというセルフラーニングを積み重ねることで上達してゆく。
三角形の面積という最頻出テーマ1つをとっても、等積変形してかわりの簡単な三角形をつくる、縦の糸を引いて左右に分割する、横の糸を引いて上下に分割する、より大きな図形を補助してそのより大きな図形から引いて考える、1/2|ad-bc| のような謎の極めてかんたんな裏技で解くなど多数の解法がある。三平方の定理の証明よりもかんたんな多数の解法が知られている。まずは図形的な工夫をするのが基本であるから等積変形の可能性もワープ先を複数行ってみるといった練習が大切になる。
教わった通りを真似して終わりにするのでなく、自分の勉強を時には時間や効率を気にせずやってみるというようなやり方である。
もちろん数学なので計算は合うまで合わせること。計算に始まり計算に終わる。楽しい発想の学習だけで数学の勉強を終わりにしないこと。
数学は寝ながらやるのでなく手で書いてやること。
社会理科は今までの週の計画をチェックとリピートを多くしてもちあげてゆきたい。
国語の古典は本格スタート直後だが古文の復習を通して助動詞の接続(上に特定の形を要求すること)や動詞の活用(どんな形に変わるか)、助動詞の活用、助動詞の意味、敬語の使い方を習得してゆく。現代語には副詞が多いが古文は助動詞が担う部分が大きかった。助動詞という古文の主人公、最重要古語を使いこなすことが古文読解の鍵である。助動詞と助詞は古文の50%だから、次の試験で必ず出る重要語。助動詞は絶対に毎回出る。その助動詞を極めておけば古文が現代文と変わらずなじみあるものになる。古文の助動詞は例えば英語の助動詞do,does,didくらいよく使うということだ(例えば は 同じ)。大事でないはずがない。
助動詞は現代口語文法や英語と絡めて一気にやってしまうような方法もある。
たとえば、「む」が出ていたね。
助動詞の「む」を学ぶ、まとめるのに「ダロウ」だけで済ませるのはもったいない。
そもそもダロウは「む」の訳語として合ってさえいない。
あのね、「む」は現代語の「う」だよ。
まずは「う」と訳しておこう。
「槍ふらむ」はどんな意味? 槍なんか降るわけないから・・・槍が降らない?
せいかい!
なわけなかろうもん。1000年前は普通にやりは降るって!
「む」は「う」だから「槍が降ろう」(正解)でよろしい。降る方向、降る向きということだ。
同じく、書かむ →かかん →かかう となっていく。
(まとめ)「む」の捉え方
む→発音mu→m(muのうちのm)→n(くちびるがつかないいろんな音の「ん」)→現代語u (muのうちのu)→う
で 、「む」は現代語の「う、よう」と対比、発音の「ん」も抑える。
さらに英語で近い助動詞 will と対比して捉える。
「む」を強くしたのが 「べし」(元は推量でなくて「宜べし」という形容詞だったから「当然ダ」強いのは当たり前、「うべし」だから「u音」に接続する)。「べし」の上にはu音しかこない。
うべしです、うべしです。(何度も言うと芸人のヒロシさんっぽくなるので注意。)
「む」×現在の らむ、「む」×過去の けむ、「む」→「むとす」→「むず」。
「む」を弱くしたのが「まし」。
「む」の打消が「じ」(どちらも未然形接続)。
「べし」の打消が「まじ」(どちらも終止形接続)。
くらいの連関の中で捉えてみると古文の助動詞「む」の守備範囲が見えてくる。(森勉で書いたまずは全体をざっくりつかむの勉強法。)
さらに、関連させると一つ一つの個性が際立ってかえって個々が覚えやすくなる(関連記憶法)。
「む」が文末でなく後ろの名詞に連なるときは婉曲・仮定。「乞はんがために」なら「求めるようなことのために」。「むこそ、むは、むも、むに」は仮定。
婉曲というのは「おにぎりかなんか買ってきて。」の「なんか」なんかと一緒。
「む」の最後に「むあく欲し」(ヨウナコトホシイ)→「まほし」という願望、あつらえの助動詞もつながった。
というようなことは少し詳しい古文の本になら当然載っているような話。
失点の目立ったカニの面白い話の古文の出典は猫と鼠で練習していたのと同じ『伊曾保物語』の良問。丁寧語(聞き手への敬意 デス マス オリマス)の「さぶらふ」「さふらふ」「はべり」、尊敬語(動作主体への敬意 が は への敬意)の「手まふ」(本動詞の「お与えになる」、補助動詞の「お〜になる」)、謙譲語(動作客体への敬意 を に と より から への敬意)の「奉る」、「申す」のような敬語の宝石箱。この古文で敬語のよい実戦練習ができる。例 「さぶらひたまふ」は敬語順KSTよりK+Sで「オ控エナサル」、「たまひさぶらふ」は敬語順KSTよりS+Tで「オ与エニナリマス」、「誠也宗隆を笑ひ奉り給ひ侍り」は「誠也ハ宗隆ヲ笑イ申シ上ゲナサッテマス」。敬語も古文本文を同じくノートに貼り付けて復習に取り込んで血肉化しよう。指示副詞の「かく」「しか」「さ」の3語は基本。「引用は「と」「とて」「など(「などと」と訳す)」まで、「と」は前を終止形。(つまり文末)にする」は基本事項。「と」を探してカギカッコをつける、「と」をみたらカギカッコ文末に決まっている!
しかも、カギカッコ内部=セリフ=会話文(=長めのことが多い)より先に、「・・・と述語(何した)」を読むことなんて古文速読みの基本中の基本だぞ。たとえば「・・・」と嘆きたまふ。と先読みすれば、悲しいことを嘆いているという述語を先に知ることができて「・・・」の中にどんな悲しい内容があるのだろうと予測しながら読むことができる。
つまり「と、とて、など」が大事なのでなくその後ろを先に読むような速読みが基本的な、読解の極めて単純で有効なテクニックであるということだ。
しかし受験生の正解率は極めて低く出ていたようだった。まさか普段から文字はいつだって上から下へという順だけで読んでるのかな。「よきおしおてっわかにきつ。」のようにはもちろん読まないけれど、「おしおきよ、月に代わって」と先に述語を読むのはいつだってやっていい読み方だよ。大体、大問1→大問2→大問3→・・・と問題番号順に解く人は、試験中に本文よりも設問を先に読むことをせず、文章も上から下の方向にのみ読んでいく人が多い。いつだれがそのようなことをルールブックに書いたのだろう。大谷ルール、マイルール、ルールは自分で作るものだよ。まさか靴をはくときに右と左どっちから履くかにも順番があるのか?
横道にそれた。
「と、とて、などを見たら鍵かっこ文末。つけてその後ろの述語を先読みしておく。」
基本事項を聞いている基本問題だよ。この時期なので問題はやさし目設定だったわけだが数ヶ月後には当たり前に出題の意図まで読めているべき問題。
問3は「横」という言葉を使ってとあり設問レベルをかんたんに調整してあった。本入試ではこの設問がヒントなしになってゆくだろう。
古文の「をば」はハイレベルな文法項目、現代語でも用いる、復習ポイント。ここは教室でないから概略だけ書くと、「をば」の「ば」は強めの「は」の濁音。「「をば」=「を」と読め」でよい。
主語をつかみたい、主語述語の係り受けをつかみたい、ならば、「て」以外の接続助詞の前の用言までの文単位で誰が何した、誰がどうだったかと読んでみる。古文も現代文も日本語の述語は文の最後だから早読みしたいときはそこを最初に読んでいい。ドラマで最終回から見るのは変だけど試験で結論を先に知るのは変じゃないよ。
消しゴムのない時代に書く都合で上から下に書いてあるだけで、読む時は下からでも上からでもどこからでも何でもいい。でも下にはいつだって、何をした、何だった、どうだったと書いてある。ただし「て」は時制、尊敬語において完結力が弱いからそこは下とみなさないで。切らないで一連の述語と見てもよい。このようなところもいろんな本に書いてあるとおり。やってみると読みやすい。やってみることを実践、プラクティスといって、セルフラーニングの中心。ただし練習の意味を考えて自分はいま何がうまくなりたいのか、何を試したいのかと意識して練習しないといけない。
誰でも習うついでで古文はじめの一歩などにも書いてある都市伝説。「ばどにをが」で主語が変わるって本当なの?
あれははじめの一歩であって二歩目用の話をカットしただけ。
接続助詞の「を」「に」って、どう訳したらいいんでしょうか?
それはね、ので 、と(ころ)、ケレド。
覚えにくいよぉ。
単純接続に、順接に、逆接かぁ。
結論。已然形のあとの接続助詞「ば」、已然形のあとの接続助詞「ど」と同じだよ。
え!?
だから、
「を」「に」 「ば」だったのね。
「を」「に」「ば」は 「ば」と同じ。だから 前のAの文と後のBの文で捉えたらいいってことで、「て」は「ば」と違って切る力が弱いと。
そういう傾向があると。
今日はこういう文法(理屈)が通用するのか例外が多くあるのか数えながら読んでみようかな。このような実践しながら自分のやり方を改良改善構築してゆくことを自習という。
かたや言われた方法をオウムのように真似るだけで自分のやり方をたしかめないのは自習ではない。
他の教科同様まるで今年の春の入試の出題を完全に予想できていたかのような出題傾向が県の入試とドンピシャリの問題ラッシュ。国語大問3の「魚にも自分がわかる」のような哲学的な説明文を本文の出典にとるあたりがこの会場模試のすごい点で入試本番との類似性が極めて高い。この模試の出題者、出題陣は過去の膨大な科学的な得失点データだけでなく、最新の高校入試の出題履歴をも知り尽くしている。個人が作る問題には癖や好みが出るものだがこの模試は複数人でのチェックがされており入試を超えるような良問が多い。この問題自体がこの会場模試を受験する意味のその2である。いい練習法とはいい問題を考えることである。受けるだけでもいい練習になり次の模試までに復習を積むことでまたいい練習ができる。1週間単位で復習は終わらなくて良い。次の4月模試までに少しずつ大問ずつ復習することで問題の意図まで見る力が増す。もちろん学力が高まる。模試を受けると気が引き締まり模試を復習すると学力がひと伸びできる。
英語では、リスニングと適語補充とくに大問4-8 he will be ( ). の補充のような問題で入る語の品詞の可能性が正確にわかることなどがポイントになる。大問5のbe going toの後にある語の品詞が動詞であるのが当然であるのと同様、4-8では補語になれるのは形容詞か名詞かというところが瞬時に考えられたかどうか。間違ってもここにふさわしい内容は何かななどと根拠から遠く離れたフィーリングで考えてはならない。もちろんわかってしまうものは確かめた上で書いてよろしいわけだが解答には根拠がある。思いつきでなくどういう理由でそれと決まるのかのreasonを復習では意識しよう。
英文はまだこの時期ということを考え、設計されており、長文読解の英単語の語数が極めて少ない。何語の英文が本番では出題されたのか実際に指で数えてみるなら、普段やるべき学習の指針が見えてくる。
と、ここで何かの一般論を述べても仕方がない。自分の失点を見つめて解き直すことが一番の薬。見つめたら見つめるだけ普段の学習で活かせるようになる。
脱線。
論説文を読むときに一段落目を読んで次に最終段落を読んでしまう、そんなことをしていいものだろうか?
悩む人は試してみたらいい。悩む前にやってみるんだ。
さっきも書いたように順番というのは右から左とか上から下とか決まっているということはない。
論説文のイイタイコトをどこに書くのかをよく考えてみてほしい。
英文でも日本語でもどこにイイタイコト、見解を書くのか。
食事のときにあなたは一番好きなものを最後に食べるだろうか、最初に食べるだろうか?
ずっと食べ続けるのはヴォクだけでよろしい。
それと同じで、イイタイコトはどこに置くのだろうか?
いきなりステーキってはじめから食べるということだよな?
ずっと同じのをひたすら最後まで食べるヴォクみたいな偏食王は置いといて、普通はどうなんだろうって話。
たとえば一段落目、最終段落、設問、本文という読み方は
いきなり最終段落かよっ!
いきなり設問かっ!
とツッコミが入るようなことなのだろうか?
どういう順番で解くのかを試すのも練習計画の中に入れておきたい。それが初回を前にしている方に伝えたかった第一回目のテクニック。
毎回ひとつずつテクニックを脱線で書いてゆくよ。
復旧。
というわけで、全体として失点や実践からテーマに意識的になること、マイテーマを決めること、テーマをノートに書いてから自習してみること。
勉強はいつも目の前に貼った問題の中にある。
って、いいたかったのよ。テーマを探すのも勉強だしテーマを発見した後にはじめていい練習ができる。
試験は受けて結果見て終わり、ってそりゃあ、もったいないよ。捨てるために受けたってことになるから。
もったいなさすぎるよ。一喜一憂してどうすんの。
早めに勉強してたんだからいいのは当たり前だろうもん。
復習して解けなくてノートにはってまた解いてもう一回一喜一憂できる。
前解けなかったところについてまとめておいて再度貼り直した問題を解き直して三喜三憂くらいするようなのがいい練習と言える。
模試は受け終わってから味わい尽くせ。
リスニングの音声は聞いたのか?
文章中に知らない言葉は一つもなくなったのか?
満点はとれるのか?
復習してもとれないのが本番でとれるわけがない。
解けるまでやり早く解けるまでやり直す。
過去問と模試問は解き尽くすことで最高の練習素材となる。
ただ教科書を読んでいても得点力はなかなか上がってこない場合にいい問題を解くことで目のつけどころ勉強のしどころがわかるようになってゆく。
解き直しの効果は計り知れない。本当に。
(ブログ引越し時に写真のインポートを忘れないように、消えないように、今後は注意したい。)(かっこ)内はヴォクの日記。 ほなね。