ぶつりの理解の本質123を問う良問が一番の魅力。スモールステップの小問構成なので無理なく思考し、理解を深められる。この「物理のエッセンス」もまた、何度でも取り組んで問題と解決策を全問覚えるくらいまで繰り返したい書物のひとつだ。
小問にまで分解し浮き上がらせたエッセンス問題に、初学者にも理解しやすいようにとコンパクトでイメージ多めの解説をつけてある。
問題群は多すぎず少なすぎず、まるで緻密な機械式時計のゼンマイたちのように機能美さえ感じさせる。
完璧でただただ力強く見えるだけでなく、ときに「垂直抗力や摩擦力は何によっておきるのか」などと素朴で根本的な問いをFAQ形式でやさしく解説。教科書にない123の本質部分にまでやさしい。
最大の魅力である練習問題を解いてもどうしても解決しない場合には同氏の「実況中継」(★★★★☆)や「漆原の物理が面白いほどわかる本」(★★★★★)、「ぶつりの123」(★★★☆☆)、「わくわく物理探検隊」(★★★★★)、「前田の物理」(★★★★☆)、「らくらくわかる物理I問題集(駿台文庫)」(★★★★☆)などの講義本と教科書を参照するのもよさそうだ。
物理の教科書と合わせて大切に解き進めたい。