受け売り(みたい)だが、文字を丁寧に書くことは、学習成果のほとんど大部分を左右すると個人的に考えている。
個人的な思い出話。ヴォクの母はヴォクに勉強を教えたことが一度だけある。後にも先にも他にない。
小学1年生の授業参観の後の夕方だった。
帰るとヴォクはおやつを食べることもできず、机に正座してまっすぐの姿勢で座らされ、おしえていただいた。
ひらがなをていねいにかくことをわたしのはははわたしにおしえてくれた。
あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
たちつてと
なにぬねの
はひふへほ
まみむめも
やいゆえよ
らりるれろ
わいうえを
ん
というひらがなが印字された見本のページを開いて、
「ていねいにおなじかたちでノートにうつしとりなさい。」とおしえてくれた。
ひらがなのかきとりのうまい順に授業参観で掲示されていて、わたしの書いた字が左下の一番最後、つまり一番下手なランクの位置にあったからだっただろうか。
ヴォクはていねいに見本と同じ形でひらがなを書いた。
はじめて教えてもらったことだったので、よほどのことにちがいないと幼心に自覚した。
それ以来、ヴォクの特技は独学になった。
左にある見本を右にていねいに写し取るのが相当得意になったのは母のおかげである。
そういえば、今日、ていねいでない文字の書き方をしていた子に注意することができなかった。
雑だと思ったが、その場ですぐに言葉にすることができなかった。ペンキの匂いがヴォクの判断を鈍らせた。
来週、必ず伝えねばならない。
2度は許されない。
そんなことについて、ロカビリーさんのブログを拝読していて、いつものことながらはっとさせられた。
http://45741970.jugem.jp/?day=20100405
無断でしかも一部分のみを引用して恐縮だが、
>俺の塾の教室は貼り物がほとんどない。模試があった時に張り出される順位と、生徒心得3か条がB4で1枚と、「姿勢を正せ!文字を丁寧に書け!」というB5の紙が1枚貼ってあるだけである。
「姿勢を正せ!文字を丁寧に書け!」というB5の紙。
貼り物を極力排除し、それでもどうしても届けたい言葉として書かれたものなのだろうか。
非常に意味深いものを感じる。