ヒカリブログ

上尾市と桶川市の間にある学習塾光塾

コーチ・えのもとのバス

コーチ・えのもとは大会前になるとよく遠征の練習試合をした。県内の準優勝候補を見つけては遠征に出た。

チームのために朝6時にバスが出た。9時の練習試合開始に間に合うように。運転手は無口でこわい人だった。ヴォクから話しかけたことなどただの一度もなかった。なにか言われたら「はい」以外の返事はなかった。

コーチはバスの運転席に乗りこみ黙って背中で優勝への熱意を語るような男だった。時折タバコを吸いながら、モクモクとマイクロバスのペダルを踏んだ。

ヴォクらはコーチの運転する優勝行きのバスに乗り込み、ユラユラと揺られながら夢の中、目的地へ向かって進んだ。試合のなかみなどほとんど何も記憶にないが、監督が運転するバスのおんぼろの助手シートのイメージは、消えてなくなることがない。