たまたま
たまにはたまの話。略して、たまたま。
我が輩はねこである。名前はもうシロ。
漁師のじいちゃんのねこは白い野良ねこで名前をもちろんシロといった。正式には白なのかしろなのかシロだったかはきいたことがなかった。
家のすぐ目の前が港の漁村だったので、ほかにもえさをたべにくるねこはたくさんいたが部屋の中に暮らすのはシロだけだった。どういうはずみで三毛や黒白やいろんな色になるのかはわからないが、白は生まれたときから全身真っ白で、道を歩いても目立っていた。
ねこは家に住み人にはなつかないなんてことは全くなく、じいちゃんの後ろをついて歩いたし、呼べば来た。ご飯も寝るのもじいちゃんと一緒だった。ご飯は魚ばかりなのでちょうどよかったのかな。そういうねこだった。
たまたまだが、ウチのたまも甘えん坊でゴロゴロ言ってくる。シロみたいだ。