ヒカリブログ

上尾市と桶川市の間にある学習塾光塾

水があるだけでは川は流れない(1)

「習うより慣れろ」は英語を母語としない学習者にとっては時に害のある言葉でもある。明らかに英語漬け環境でない英語の初学者にとっては、理屈から遠く離れた英語学習法はかえって外国語の習得を困難にすることすらあるまいか。(ヴォクも多読やshadowingの効果を知らないわけではないがあえてこう書きたい。)

学生時代、伊藤和夫先生の『英文法教室』を読んで得たときの感動は20年近く経った今になってもいささかも薄れることはなく、歳を重ねるにつれてその体系はますます英文法のひとつのイメージをヴォクに提示し続けてくれる。

同じく『英文解釈教室』や『長文読解教室』もそういう秘薬的にゴイスな書物のひとつであり、英語から暗記というものを遠ざけ論理的なイメージの構築を頭の中にもたらしてくれたものだ。その体系は暗記され保持されるべき個別なパターンなどではなく、ひとつの大きな構造のようなものであり英文を読む際の意識の流れ(筆者の言うところの呼吸法のようなもの)であるので、有効性は確認され増長され、時間とともに強まるばかりである。喩えるなら、『フォレスト』などの文法知識を(その日本語訳である森ではなく)水だとするならば、『英文解釈教室』は高低差をつくる谷みたいなものであり、その谷のおかげで英文という川の流れについてわかるようになるような感覚を得た。

(週に5文10文15文の英文暗記を子供たちに課しているが、丸暗記ではなく考えて構成できるようにすることを伝えている。)

Will you~? と耳にしたら何も考えることなく無意識的・反射的にWill you pass me the salt, please? が思い浮かぶのもそれはそれとしてたしかに役立つのだろう。それは水についての個別の知識である。Will you~?がどのようなときに使われ、また使われないのかを他(shallなど)と比較対照、区別しながら理解した上でその英文を構成できるようにしておくことはその何倍もの応用性をもたらすものだ。そういう意味でフォレストのターゲット例文800余を一字一句違わずに覚えておくことは有意義だ。

水と谷の両輪から学習することによって盤石な英語力を築くことができよう。

伊藤英語=英語であるとまで言うつもりはいささかもないが、谷の仕組みに迫り続けたある種病的なまでのその学究的な姿勢には学ぶべき点があまりに多い。

感謝。