手取り足取り教えるとか、100回聞かれても笑顔で答えるとかは、ヴォクがやらないことのうちの一つだ。そんなことをしたら考える機会を奪うことになる。
本に書いてあるのを読まずに質問する子がいたら書いてあるページを開いて指差す。
何回も同じことを(めげずに)きいてくれたら、アクションをメモしてもらっている。
自分で考えない(壁にあたる)なら、目と手を動かすしかないのだ。それにより壁を破ることができる。
たとえばオームの法則なら、
一、回路が直列か並列かを見る(目)。
二、条件(問題文の数値)を見ながら、すべて図の中に書き込む(手)。
三、電圧と電流と抵抗、わかるものを全部計算して書き込む(並列なら電圧は等しいので機械的に書き込む)(手)。
とか。
答えはその後に出て来るだろう。
あるいは分数を含む文字式の加減なら、
一、分母が異なるか同じか見る(目)。
二、分母が異なるなら通分する(手)。
とか。
計算過程だけでなくアクションをも書き込んでもらうようにする。
人が行動することには考えることが本来伴うが、考えが進まないときには行動だけを取り出して一緒に行う。ヴォクはこれがアシストだと思っている。
理念とか、方法とか、セルフラーニングとかのことははじめから最後まで言わない。そういうのは子供が勝手に自分から見つけることに(結果として)なるものだ。