ヒカリ

DEEP RIVER 光

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数学バッティングセンター

080806_2204~01.JPG二次試験当日にひどい風邪(インフルエンザ)をひいたりが二回重なり三浪していたEくんと、図書館でよく一緒に勉強していた。

彼は惜しげもなく勉強ノウハウをぼくに教えてくれた。

数学教師並に、いやもっと、数学の問題が彼は解けた。東大模試を受けると上位者リストの上の方に名前がいつも載ってた。ぼくも大体いつも載ってたが、彼には負ける時が多かった。

彼は毎日60分、なにかにとりつかれたように『新数学スタンダード演習』(二次記述対策の難問揃いの名著)なんかを黙々と解いていた。

聞けば、スタ演はもう30回転以上しているという。多分日本一解いてたのは彼だ。A問題もB問題もC問題も、問題を見た瞬間からまるで計算ドリルを解くみたいにパッとみてスラリと解いていた。鉛筆がとまらない(シャーペンだけど)。そこに創造性なんかない。何回もやると作業になるよ、と教えてくれた。パッとみて解法がおもい浮かびあとはそれを文字にするだけだと言った。模範解答と瓜二つの解答が肌色の目に優しいルーズリーフの上に書かれてゆく。掌ヒラヒラ~なんて魅せるような無駄もない。

ここにぼくは数学(受験数学)の極意を見た。限られた試験時間の中で決まった問題を解くためにすべき練習は発想力養成なんかじゃなくて、出力の反復。書きながら考える。解きながら思い出しながら勉強するというひとつの方法。手がとまったところは暗記しながら、また後日今度は手の動きが止まらぬように解いてみるという方法。

ぼくも真似をしてその年にスタ演を6回転くらい解いた。本番ではAレベルの簡単な同じ問題が出て5分くらいで解けて拍子抜けしたのをいまでも覚えている。スタ演のパクリかよっ、って思いながら解いた。

暗記数学という言葉があるが、ぼくはその言葉が間違っているとは思わない。受験数学に限定すれば、暗記数学は強いと思う。

暗記数学とは暗記するほどに同じ問題を解いて練習するという手法である。

暗記数学とは、バッティングセンターで同じボールを延々と繰り返し打ちこむように、ひとつの本の同じ問題を繰り返し解くという手法のことである。